オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その12)
別項「オーディオマニアと取り扱い説明書」で、
最近のマッキントッシュの取り扱い説明書について書いているところだ。
取り扱い説明書を、購入前にチェックする人はどのくらいいるのか。
私も、これまでいくつものオーディオ機器を購入してきているが、
購入前に、取り扱い説明書を手にとって、
取り扱い説明書の出来がいいとか悪いとか、
気にしたことは一度もない。
取り扱い説明書が必要になる、
そして気になるのは、購入後である。
たいていのオーディオ機器は、取り扱い説明書なしでもかまわない。
それでも最近のマッキントッシュのアンプのように、
一つのツマミに複数の機能を持たせているとなると、
どうしても取り扱い説明書の出来は気になる。
それに購入後は予期せぬトラブルが生じる。
その時にだって、これまでならば、経験則でなんとかなったものの、
上記別項で書いているように、
アンプやCDプレーヤー自体を一度リセットしないと、
トラブルの解消とならない設計だと、取り扱い説明書がないとどうしようもない。
ステレオサウンドに時々載る導入記に、
取り扱い説明書についてふれた記述があるのか。
私が読んだのは207号掲載の、
和田博巳氏の「ファンダメンタルMA10導入記」、
原本薫子氏の「マッキントッシュMCD550導入記」の二本だけである。
そこには取り扱い説明書については、何もなかった。
取り扱い説明書が必要となる状況が生じていない──、
理由はそれだけなのだろうが、
導入記を購入後の視点から書かれたものと受け止めれば、
そこに取り扱い説明書についてなにも書かれていないのは、
オーディオマニアの導入記とレベル的には変らない、ともいえる。