Date: 9月 6th, 2019
Cate: 試聴/試聴曲/試聴ディスク
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音の聴き方(マンガの読み方・その7)

9月4日のaudio wednesdayは、あるところをそれまでとは違うセッティングにしていた。
以前書いているように、スピーカーの位置は、ほぼ毎回少しずつ変えていっている。

1cmとか5mmぐらいの変化量だから、見て気づく人はまずいない。
今回変更したのは別のところであり、毎回来ている人で、
セッティングに注意している人ならば、わりとすぐ気づくくらいに、
今回は大きく変更していた。

今回参加した人の一人が、「○○のところ、変えました?」と訊いてきた。
その部分はまったく変更していない。
前回と同じだし、前々回とも同じである。

変えていないのだから、違う、と答えた。
それ以上、訊いてこなかったので、何もいわなかった。

でも、変更箇所は○○じゃなくて、もっと手前の箇所で、
もっと大きくてわかりやすいところなのに……、
そんなことを心でつぶやいていた。

前回とのセッティングの違いを、中心視野という捉え方で、
しかも記憶と目の前のセッティングの違いを比較して違いを見つけるのは、
このような見当違いなところを指摘することになるように、私は思っている。

周辺視野での捉え方で、
これまでのセッティングを見てきているのであれば、
スピーカーの位置のわずかな変化は気づかなくとも、
今回のはっきりとした変化には、きちんと反応できるのではないのか。

なんとなく、いつものセッティングと違う……、
まず、そう感じてほしい、と思って、私はaudio wednesdayを続けている。

どこか違っているのだろうか。
凝視するように今回のセッティングをみても、人の記憶はあやしいところもあるのだから、
わからないものだろう。

それよりも、なんとなくあのへんあたりかも……、そう感じてくれれば、それでいい。
どう変更したのかまでは気づかなくとも、
あそこが変っている、と気づいてくれれば、
どう変えたのか、なぜ変えたのかを説明する。

人は見たいようにしか、目の前のことを見ないのか、
関心のあるところにしか目が向かないのか、
ここでは周辺視野的聴き方について書いているが、
周辺視野による、目の前のセッティングの捉え方も忘れてほしくない。

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