ダイレクトドライヴへの疑問(その37)
ダイレクトドライヴ型アナログプレーヤーには、
サーボによってプラッターの回転を制御しているのが大半である。
プラッターの回転が遅くなれば、モーターの回転を上げて正規の回転数に戻す。
速くなった場合は、その反対である。
サーボをうまく動作させるには、プラッターの回転を正確に検出することが、
まず大事なことである。
たいていのダイレクトドライヴ型では、プラッターのリムの内周で速度(回転数)を検出する。
一方、モーターの駆動力がプラッターに伝えられる箇所は中心である。
私が、学生のころ、最初に感じたダイレクトドライヴ型への疑問は、ここにある。
検出箇所と駆動力が伝えられる箇所が、こんなにも離れているのかだった。
いいかえれば、なぜ二つの箇所を同じ、もしくは接近させないのかだった。
プラッターのリムと中心とでは、約15cmほどの距離がある。
プラッターは金属製がほとんどだし、回転中にしなっているわけでもないだろうから、
理屈のうえでは、リムのところで検出しても、サーボの動作としては問題にならない(のだろう)。
それでも感覚的に、やっぱり離れているのはおかしい──、
そう感じたものだった。
しかもモーターの回転軸がセンタースピンドルになるかっこうで、
ターンテーブルと回転軸とはしっかり嵌合されているわけではない。
いわば乗っかっている状態である。
これで細かなサーボの動きに追従できるのか、とも思った。
回転数をプラッターのリムのところで検出するのは正しい。
ならば、モーターの駆動力をプラッターに伝える箇所も、リム近辺であるべきだ。
この考えもあったから、(その18)で、
ダイレクトドライヴ型のセンタードライヴへの疑問を書いた。
さらに(その22)、(その23)、(その24)で、
B&OのBeogram 8000のダイレクトドライヴ型が、いわゆるセンタードライヴではないことを書いた。