結線というテーマ(その6)
別項「オーディオの楽しみ方(つくる・その39)」で、
DIN用ケーブルを自作していて気づいたことがある──、と書いた。
このことが、ここで書いているアースの共通インピーダンスに関係してくる。
これも以前書いていることだが、オーディオ機器をモノーラル化していくうえでは、
一つとても気をつけなければならないことがある。
モノーラル化していくのは、音の出口に近い方から順にやっていくべきだ。
スピーカーシステムは左右独立しているから、
ようするにパワーアンプからモノーラル化をしていくべきである。
間違ってもステレオ仕様のパワーアンプ、コントロールアンプを使っていて、
D/Aコンバーターをモノーラル化するのは、
アースに着目して考えるならば、おかしなやり方である。
もちろんモノーラル化そのものを否定はしない。
それではっきりと聴きとれる効果があるのは事実だ。
ただし順序を間違えた安易なモノーラル化は弊害ももたらす。
その音への弊害に気づかないのだろうか。
パワーアンプをモノーラル化したならば、次はコントロールアンプ、
そしてD/Aコンバーターというのならば、納得できるモノーラル化の順序である。
D/Aコンバーターも、コントロールアンプもパワーアンプもモノーラル化した。
それでもマルチアンプをやっている人はデヴァイダーもモノーラル化しなければならない。
この順序を守らなかったからといって、ハムが出たりすることはない。
だからこそやっかいともいえる。
このモノーラル化の順序に気づかさせてくれたのが、DIN用ケーブルの自作であり、
1982年ごろに登場したディネッセンのコントロールアンプJC80の電源構成である。