カセットテープとラジカセ、その音と聴き方(余談・その12)
41号が初めて買ったステレオサウンドだった。
続く42号は、プリメインアンプの特集だった。
ここでのヤマハのプリメインアンプ、CA1000IIIとCA2000は、
群を抜く優秀性だった。
特にS/N比の高さは、他社のどのアンプもかなわなかった、といえる。
しかもヤマハのアンプのS/N比の高さは、入力ショート時だけではなく、
カートリッジを実装した状態でも、S/N比の高さを維持していた。
入力ショート時では、高S/N比のプリメインアンプは他社製でもいくつかあった。
けれど、そのほとんどがカートリッジ実装状態では、芳しくない。
この時(1977年3月)から、私のなかでは、
ヤマハのアンプはS/N比が、単にカタログスペック上だけでなく、
実際の使用条件においてもそうである、という印象ができあがった。
この二つのプリメインアンプだけではない。
ヤマハの他のプリメインアンプ、コントロールアンプもS/N比はいずれも優秀である。
そんなことはわかりきっていることでもあった。
なのに、今回K1dを聴いて、そのことを思い出していた。
アンプだけでなく、カセットデッキでも、ヤマハはS/N比を優秀性を誇っている。
ステレオサウンド 6号での、
菅野先生がK1dのS/N比にびっくりされたことは忘れていなかった。
それでも実際に自分の耳で確認して、ほんとうにそうだ、と実感している。
k1dが、ナカミチの1000ZXLのように五十万円を超えるカセットデッキだったら、
それほど驚かなかったけれど、K1dは中級機である。
今回聴いたのは、グラシェラ・スサーナのミュージックテープである。
ドルビーはかかっていない。