オーディオ機器の付加価値(買い方によって……・その4)
「このアンプはデザインで損している」とか「このスピーカーはデザインで得している」とか、
そういった評価にもならないことを聞くことがままある。
こんなことをいう人は、デザインを理解していない、と言えるし、
デザインを付加価値としてしか捉えていない。
「付加価値が……」男も、そう捉えている。
だから、損している、得している、といったことをいうのだろう。
つまり「付加価値が……」男は、得している、損しているといった次元で、
付加価値を捉えている(考えている)ともいえる。
そう考えると、秋葉原のヘッドフォン、イヤフォン専門店で、
二時間も試聴して、気に入ったモデルを見つけたにもかかわらず、
より安く買えるamazonでの購入を選んだ男も、
得した、損した、という次元でのものの考え方の範疇から抜け出せないのかもしれない。
損とか得とか、付加価値とは本来そういうものではないはずだ。
今回のイヤフォン購入の件で思うのは、この人はおそらく若い人であろう。
twitterは匿名だし、年齢がわかるわけでもないけれど、
いくつかのこの人のツイートを読めば、若い人だと思う。
若者は経済的余裕がない、
だから少しでも安いところから買う──、
そのことがわからないわけではないが、
それにしても……、と思うわけだ。
店で二時間も試聴しても、気に入ったモデルが見つからなかったのであれば、
買わずに店を出てもいい。
けれどそうではない。
目先の損得で、買わずに店を出ている。
しかもamazonで買ったことを、ツイートする。
イヤフォン、ヘッドフォンの専門店の店員が、そのツイートを偶然見つけたら、
あぁ、あの人か……、ということになろう。