世代とオーディオ(OTOTEN 2019・その4)
北海道の若いオーディオマニアの件は、
この人一人だけの特別な例なのだろうか。
別項『「オーディスト」という言葉に対して(その25)』へのfacebbokでのコメントも、
同じといえる例でもあった。
四年ほど前に、とあるミュージックバーに行き、
幼いころから音に関心があって、いまではオーディオマニアになった──、
そんな話をしたら、バーの店員から散々バカにされたそうである。
このバーは、ミュージックバーを名乗っているくらいで、
トーレンスのアナログプレーヤーを使っていることを売りにしている、そうである。
そういうバーの店員でも、オーディオマニアをバカにしている。
北海道の若いオーディオマニアが、
オーディオマニアだ、と周りの人にいうことは、カミングアウトすることに近いのだろう。
若い人たちではないが、私より少し上の世代の人たちも、
そんな空気を感じとっているのかもしれない。
まったくオーディオと関係なく会った人と話しているうちに、
こちらがオーディオマニアだ、とわかると、
「いやー、実は私も……」と言ってくる人(といっても数人なのだが)がいた。
同世代の女性の知人は、中学生のころから、
絶対にオーディオマニアとは結婚しない、と決めていた、という。
彼女が中学生のころは、オーディオがまだブームだったころだ。