Date: 5月 30th, 2019
Cate: 日本のオーディオ
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日本のオーディオ、これから(Made in Japan・その3)

タンノイのウェストミンスターの登場は、1982年。
そのころだと木工職人の人件費は、イギリスよりも日本の法が高い、ということだった。

タンノイは、構造が複雑なエンクロージュアのオートグラフの製造をやめている。
ウェストミンスターは、レクタンギュラー型、コーナー型という違いはあるが、
オートグラフと基本的な構造は同じである。

フロントショートホーンをもち、バックロードホーンでもある。
オートグラフの製造をやめてしまったタンノイが、
ほぼ同じ構造のエンクロージュアのウェストミンスターを製造するということは、
オートグラフの再生産を始めたようなものである。

ティアックによる国産エンクロージュアによるオートグラフもよく出来ていた。
それでも、日本ではオリジナル・エンクロージュア神話(みたいな)がある。

私も、オートグラフを購入するのであれば、イギリス製(オリジナル)エンクロージュアを探す。
そういうものである。

それは、いま以上に、当時のほうが強かったはずだ。
そんななかウェストミンスターが登場したわけだ。

ウェストミンスターの登場は、モノづくりの難しさとともに、
モノづくりを囲む状況の変化といったことも考えさせられる。

この状況は変化している。
私はそれほど、その変化に詳しいわけではないが、
それでも数年ほどではっきりとした変化があるように感じている。

ある時期、中国は世界の工場と呼ばれていた。
けれど、五年ほどくらい前からか、
以前は中国で製造されていたのに、
いつのまにかベトナム、インドネシアに変っていたという例を、
オーディオではないけれど、いくつかのジャンルでいくつも知っている。

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