LOUIS VUITTONの広告とオーディオの家具化(その9)
Bさん夫妻は、どこでオーディオ一式を購入したかというと、
都内のオーディオ専門店ではなく、ヨドバシで、である。
ヤマハの5000番のセパレートアンプ、
B&Wのスピーカーシステム、それに見合うCDプレーヤー、
これだけで四百万円以上にはなる。
これだけの金額のオーディオを、専門店ではなく、
いわゆる量販店とよばれるヨドバシでの購入である。
友人のAさんからBさん夫妻の話を聞いた時から、
なんとなくこうなるんではなかろうか、と思っていた。
オーディオ専門店では買わないのではないか、
そう思っていた。
Bさん夫妻は、これだけの予算をオーディオに割いても、
彼らはオーディオマニアではないから、オーディオも生活家電の一つという認識だ、そうだ。
ならばヨドバシでの購入も十分あり得る──、
というよりも、オーディオ専門店で買いたくなかったのではないだろうか。
そんな気がする。
量販店といっても、ヨドバシの店員はよく勉強している人が多い、と感じている。
先日も、いわゆるウォークマンタイプのポータブルオーディオの買物につきあった。
その時の、比較的若い店員の受け答えは、よく勉強しているな、と感心してしまった。
しかもただ知識を溜め込んでいるだけでなく、
しっかりと自分の考えも、ちらっと、言ってくれる。
ヨドバシの店員全員がそうなのかというと、なんともいえないが、
少なくとも、その若い店員は、
専門店だから、量販店だから,という括りで判断できない。
むしろオーディオ専門店の店員のなかには、
別項「オーディオのプロフェッショナルの条件(その2)」で書いた店員がいたりする。
そんな店員ばかりでないことはわかっていても、
そんな店員はどうしても目立つ。
そんな店員に対しての嗅覚というのは、
オーディオマニアよりも、そうでない人のほうが鋭かったりすることもあるのではないのか。
Bさん夫妻がそうなのかははっきりとはいえないが、
なんとなくそんな感じもする。
だから、オーディオ専門店を避けての、オーディオの購入という選択だったのかもしれない。