シングルボイスコイル型フルレンジユニットのいまにおける魅力(その18)
オーディオではいくつかのモノを並列接続して使う。
アンプは出力素子を、大出力確保のために並列接続する。
トランジスターにしても真空管にしても、一組よりも二組使用の方がパワーは倍にとれる。
さらに出力を増したければ、素子数を三組、四組……と増やしていく。
トランジスターにしても真空管にしても、
素子としての物理的な大きさをもつため、
並列接続の数が増えれば、その物理的大きさがもたらす制約も大きくなってくる。
1990年代、トランジスターアンプの出力段のトランジスターを並列接続しない、
そのことを謳った製品がいくつか登場した。
音の反応が早い、とか、音のにじみが少ない、とか、そんな評価を受けていた。
頭で考えても一組よりも二組、二組よりも三組……、と並列接続の数が増えていけば、
この世には完全な素子など存在しないのだから、弊害として音のにじみが生じてくるのは、
想像しやすいことである。
確かに一組よりは二組のほうが、そうであろう。
ただ、そこから先はどうなのだろうか、という疑問もある。
なんとなくなのだが、二組よりも三組の並列接続が音がいいような気もする。
検証したわけではない。
直観として、並列接続の数は素数がいいような気がするだけだ。
2も素数である。
けれど2は偶数である。
素数で奇数。そして小さな数となると3である。
これも検証したわけではないが、
スピーカーユニットの複数使用にもあてはまるのかもしれない。
そんな考えからの、ユニットの三角形配置(三発配置)でもある。