Date: 1月 1st, 2019
Cate: 「スピーカー」論
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「スピーカー」論(ピストニックモーションにまつわる幻想・その2)

ホーン型の場合、
コンプレッションドライバーのピストニックモーション領域は2オクターヴくらいといわれている。

2オクターヴということは、オールホーン型でシステムを組み、
すべてのユニットをピストニックモーション領域で使うことを前提とするならば、
必然的に5ウェイとなる。

しかも遮断特性の低次であれば、ピストニックモーション領域から外れてくるわけで、
急峻な遮断特性のフィルターでカットオフしなければならなくなる。

デジタル信号処理であれば、96dB/oct.とか、それ以上の遮断特性を得られる。
そうやって5ウェイ、
さらには万全を期して6ウェイ、7ウェイという非常に大がかりなシステムを組んだとしよう。

そうすることで、一般的にいわれているホーン型のピストニックモーション領域の追求は、
ほんとうにピストニックモーションの実現となるのだろうか。

コンプレッションドライバーのエッジは、大きくはタンジェンシャルエッジである。
ウェスターン・エレクトリックの時代から、
タンジェンシャルエッジは、特定のレゾナンスを抑えるためにも有効である。

けれどタンジェンシャルエッジは放射状に折られている。
アルテックとJBLとでは、その方向が逆でもある。

方向がどちらであっても、タンジェンシャルエッジを見ていると、
これでダイアフラムが前後にピストニックモーションをできるのか、と、
オーディオに興味を持ち始めたばかりの中学生のころ疑問に思った。

どうみてもダイアフラムが前後に動く際に、僅かとはいえ回転しそうに感じたからだ。
実際にどういう動作をしているのかというと、ダイアフラムの前後運動にともない回転運動が起きている。

ダイアフラムの振幅が大きくなれば、回転運動も無視できないほど大きくなる。

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