優れたコントロールアンプは優れたヘッドフォンアンプなのか(その6)
(その1)で、瀬川先生の文章を引用した。
スピーカーを鳴らして、いい音を聴かせるパワーアンプが、
ヘッドフォンを鳴らしても、いい音がするとは限らないことがわかる。
ヘッドフォン出力をないがしろにしているからなのかもしれないが、
ここでいえることは、優れたパワーアンプが、必ずしも優れたヘッドフォンアンプではないことだ。
瀬川先生の文章は1978年のものだから、
いまもそうだとはいわないが、少なくともこのころはそうだった、とはいえる。
瀬川先生は、
《ヘッドフォン端子での出力と音質というは、どうやらいま盲点といえそうだ。改めてそうした観点からアンプテストをしてみたいくらいの心境だ》
と書かれているが、その後、ヘッドフォンの試聴は、瀬川先生の時代には行われなかった。
(その3)で触れたマッキントッシュとGAS。
1978年という時代、当時のマッキントッシュの製品、
瀬川先生の求める音から考えても、マッキントッシュは候補には入っていなかったはずだ。
GASも、瀬川先生の音の好みから外れている、という点で同じだっただろう。
マッキントッシュのアンプには、いまもヘッドフォン端子がついている。
さすがにパワーアンプからはなくなっているが、
プリメインアンプにもコントロールアンプにもついている。
管球式のコントロールアンプにもついている。
そういうブランドだから、ヘッドフォンアンプも、もちろん製品化している。
このことは、(その3)で書いているように、
機能の重複であって、性能の重複ではない。
GASは、というと、もう会社はない。
ボンジョルノの復活作となったAMPZILLA 2000、
そのコントロールアンプ、AMBROSIA 2000にはヘッドフォン端子が、やはりついている。