アナログプレーヤーのアクセサリーのこと(その23)
CD以前の時代、アナログディスク再生関連のアクセサリーは、
いろんなモノがあった。
実物を見ることがなかったモノも少なくない。
オルトフォンからCAP210というアクセサリーが出ていた。
1970年代後半のころである。
価格は1,300円。
HI-FI STEREO GUIDEで見て知っているくらいだ。
HI-FI STEREO GUIDEには、フレケンシー・コレクターとなっていた。
写真はモノクロで、大きくないものが一枚だけ。
オルトフォンのVM型カートリッジのVMS型MK IIシリーズ、M20 Superシリーズ専用で、
低容量のケーブルを使っている場合の平均的容量190pFを、
400pFまで補正する、と書いてある。
型番のCAP210とは、キャパシター(capacitor)が210pFということなのは、すぐにわかった。
けれど、写真を見るだけでは、どうやって使うものなの? となった。
CAP210の形状は長方形で、長辺にそれぞれ二つずつの切り欠きがあるだけだ。
理屈からいえば、CAP210の中身は210pFのコンデンサーであり、
これがPHONO入力に対して並列に入ることで、負荷容量を増やすこともわかる。
それでも、どう接続するのか、がすぐには理解できなかった。
ひとつには、CAP210の大きさがわからなかったこともある。
結局、一年くらい経ってから、あっ、と気づいた。
CAP210はオルトフォンのVM型カートリッジの出力ピンのところにはめ込む。
気がつけば、なんだぁー、と思うようなことだが、
気がついたときのすっきり感は、いまも憶えているほどである。