Date: 8月 3rd, 2018
Cate: イコライザー
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私的イコライザー考(中心周波数・その3)

グラフィックイコライザーの評価は、バンド数とその中心周波数だけで決るわけではない。
同じバンド数と同じ中心周波数であっても、
回路構成、その他によって音は違ってくるし、
イコライザーはなにより使いこなしが、非常に重要なオーディオ機器である。

使いこなしに長けていれば、
中心周波数の設定にそれほど細かくこだわる必要はないのかもしれない。
ただ、同条件での比較が難しいから、なんともいえない。

私が知る範囲では、ビクターのSEA7070だけが、中心周波数の違いがどう影響するのかを、
まったく同条件で比較できる。

SEA7070は1977年に登場した11バンドのグラフィックイコライザーである。
価格は135,000円。

中心周波数は31.5Hz、63Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHz。
これもテクニクスと同じ、他の多くのグラフィックイコライザーと同じで、
もうひとつの中心周波数は1kHzと考えていい製品だ。

SEA7070は、それぞれの中心周波数を1/3オクターヴずつ上にも下にも変えられる。
つまり31.5Hzは25Hzと40Hzに、63Hzは50Hzと80Hzに、125Hzは100Hzと160Hzに、
250Hzは200Hzと315Hzに、500Hzは400Hzと630Hzに、1kHzは800Hzと1.25kHzに、
2kHzは1.6kHzと2.5kHzに、4kHzは3.15kHzと5kHzに、8kHzは6.3kHzと10kHzに、16kHzは12.5kHzと20kHz、
というふうに変えられる。

つまりSAEのMark 27と同じ二つ目の中心周波数のグラフィックイコライザーにもなる。
実際は630Hzと640Hzというスペック上の違いはあるが、
40万の平方根の632.455Hzの近似値であるのは同じだ。

SEA7070のようなグラフィックイコライザーは、他になかった、と記憶している。
SEA7070は使ったことがない。
だから、SEA7070が優れたグラフィックイコライザーなのかどうかは、私には判断できないが、
少なくとも中心周波数のもつ意味を徹底的に探ろうとするのであれば、
SEA7070に代るモノはない。

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