Date: 7月 29th, 2018
Cate: the Reviewの入力
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the Review (in the past)を入力していて……(ダンラップ・クラークのこと・その2)

「コンポーネントステレオの世界 ’77」は、
読者からオーディオ評論家にあてた手紙から始まる組合せの試聴である。

読者は愛聴盤を手紙に書いている。
どんな音、どういうふうにオーディオとつきあっていきたいのかも含めて、
指名されたオーディオ評論家が読者といっしょに試聴して組合せをつくっていく。

「コンポーネントステレオの世界 ’77」ではクラシックが主だが、
ジャズもあれば歌謡曲もあったし、邦楽、そしてブラック・ミュージックもあった。

岩崎先生が、その組合せを担当されている。
(架空の)読者は22歳の学生。
「黒っぽい音楽」「黒っぽい音」が好きだと、手紙にはある。
ジェームス・ブラウン、ウィリー・ディクソン、ジミ・ヘンドリックス、
マーヴィン・ゲイ、エスター・フィリップス、ジョー・リー・ウィルソンのレコードが挙げられていた。

岩崎先生による最終的な組合せは、
スピーカーがエレクトロボイスのSentry V、
コントロールアンプがラックスのCL32、パワーアンプがダイナコのMark Viと、
どちらも管球式で、新製品として登場してそれほど経っていない。

アナログプレーヤーは、ビクターのTT71を専用キャビネットCL-P1におさめ、
トーンアームはビクターのUA5045、カートリッジはピカリングのXSV/3000である。

スピーカーもパワーアンプも、カートリッジも黒っぽい組合せで、
音もきっと黒っぽいサウンドを響かせたのだろう。

この組合せは、見た目からして、私がもとめる世界ではないけれど、
それだけに強烈だったし、
こういう音楽を聴くのに、最適な組合せにも感じられた。

その印象が残ったままで、ダンラップ・クラークの記事を読んだのだった。
読みながら、もう少し早くダンラップ・クラークが登場していれば、
「コンポーネントステレオの世界 ’77」の組合せに登場していたはずだし、
岩崎先生はダンラップ・クラークのアンプの音を、どう評価されただろうか、と思ったから、
このあまり知られていないブランドのアンプのことが、いまも気になっている。

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