オーディオと「ネットワーク」(モニター機の評価・その10)
ずっと以前のオーディオブームのころは、
なりたい職業のひとつにオーディオ評論家も入っていた、らしい。
オーディオ機器の音を聴いて、試聴記を書いたり話したりすることで収入を得ることができる。
おもしろそうな仕事だと思った人も、
楽そうな仕事、自分にも出来そうな仕事と思った人もいるんだろう。
いまはどうなんだろうか。
何かの仕事についている人が、
副業のようなかたちでオーディオ雑誌に試聴記を書いてたりする。
これも、一般的にはオーディオ評論家となろう。
私がステレオサウンドにいた1980年代も、
専業オーディオ評論家よりも、
兼業オーディオ評論家を積極的に育てるべきではないか、という意見があったし、
編集部内で話題になったこともある。
すでにオーディオは斜陽産業といわれていたことも関係している。
1986年ごろからステレオサウンドに登場した早瀬文雄氏は、このケースにあたる。
眼科医という仕事をもった上でのオーディオ評論という仕事をする。
うまくいくかのように思えた。
結果がどうなったのか、このころのステレオサウンド、
それからCDジャーナルの音楽出版が出したリッスン・ヴュー(のちのサウンドステージ)、
それから2000年代のステレオサウンドを読んできた人ならば知っていよう。
そうなってしまった理由はひとつではない。
こまかな理由までひとつひとつ取り上げることはしない。
ただいえるのは、専業オーディオ評論家がいるから、
兼業オーディオ評論家が成り立つことである。
REPLY))
自宅のスピーカーが常に変わっている人の評論は、どう受け取っていいか解りづらい。