「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その51)
オーディオ雑誌だけでなく、雑誌という形態は広告があるから成り立っている。
広告収益の方が多いのも事実だ。
だから、雑誌は広告主に逆らえない、という主張する人たちが出てくる。
短絡的に考えれば、そう思えるだろう。
でも、少しだけ深く考えてみてほしい。
メーカーや輸入元が出す広告費はどうやって得ているのか。
メーカーや輸入元が取り扱っている製品が売れるからである。
その製品を買っている人がいるからであり、
その買っている人の多くは(少なくともブームのころは)、
オーディオ雑誌の読者である。
このことを考えほしいわけだ。
もちろんブームが去って、オーディオ雑誌の売行きが落ちる。
なぜ落ちているのか。
ブームが去って、ブームに乗せられているだけの人がいなくなった、
それに人には寿命があるから、ずっとオーディオを趣味として来た人もこの世を去る。
まだ生きているし、オーディオマニアであっても、
私のようにオーディオ雑誌を買わなくなった人もいる。
いろいろな理由があって、オーディオ雑誌の売行きは落ちている。
広告もはっきりと減っている。
広告を出す側も、広告をもらう側も運命共同体である。
片方だけの力が強ければ、すぐさま衰退していく。
製品を買う人が極端に減ってしまえば、どうなるかは書くまでもない。
広告が載っているデメリットは、確かにある。
けれど、メーカー、輸入元にとって都合のいい記事ばかりで、
オーディオ雑誌の誌面が埋め尽くされたら、読者はどう感じるか。
実際、そう思えるオーディオ雑誌がある。
そんなオーディオ雑誌を買って読んでいる人もいるのも事実だ。
全体的にそうなりつつあるのも否定しない。
それでも、一部の人が考えているような、
オーディオ雑誌は、メーカー、輸入元に絶対に逆らえない、なんてことはない。
メーカー、輸入元だって、
そんなことをすれば自分たちの頚を間接的に絞めることになるのはわかっている。
自分のところだけよければ……、そういう会社もあるだろうが、
長続きはしないのではないか。
どんな経営者であれば、長く会社をやってきている者であれば、
ぎりぎりのバランスのところは感じている、と思う。
そんな擁護するようなことを書きたくなるほど、
本の編集を軽く見過ぎている人たちがいる。
そういう人たちが言いたいこともわかる。
その傾向は強くなっている。
それでも、まだ良い方向に向うのではないか、と思うからこそ、
こうやってブログを書いているともいえる。
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大手メディアの記者クラブによる情報囲い込み、クロスオーナーシップの問題、大手新聞の本社屋国営地払い下げ問題などを考えますと、権力やスポンサーとの癒着は疑われても仕方がありませんね。
そういう問題も調べてから文章を書いてみてください。