Date: 7月 20th, 2018
Cate: 複雑な幼稚性
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「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その47)

その46)にfacebookでコメントがあった。

ステレオサウンドの編集長が謝罪して事を丸くおさめる。
そのことは誌面には載らず……、である。
そんなことは昔から行われてきた、と思っている、とコメントにはあった。

やはり、そう思われているわけだ。
そう思っている、と言葉にして伝えてくれた人はいまのところ二人だけだが、
黙っているだけで、そう思っている人は他にも少なからずいる。

そう思っている人は、今回の件がなくとそう思っていた人もいることだろう。
以前からそう思っていた人は、やっぱりそうだった! となる。

ほんとうにそんなことは昔からずっと行われてきたことなのか。

かなり昔のことになるが、ステレオサウンド 24号の巻末に、一ページだけの記事がある。
354ページにある、その記事は、これは記事なのか、と思わせるものだ。

事実、目次にはその記事は載っていない。
となると、この記事は広告となるのか。

この記事のタイトルは、「本誌23号の質問に対する(株)日立製作所の回答」とある。
本誌23号の特集は「最新ブックシェルフスピーカー総まくり」、
ここでLo-D(日立製作所)のHS500が取り上げられている。

この記事の冒頭に、こう書いてある。
     *
 本誌では23号のブックシェルフ・スピーカー特集の記事中に、日立HSー500に関するテストリポート(245頁)のなかで次のような一節を掲載しました。
 ──このHSー500は発売された当時にくらべて最近のものは明らかに音質が変わってきている。この辺をメーカーに質問したいですね。──
 このリポートの質問事項に対して、株式会社日立製作所からこのほど次のような回答が寄せられましたので以下に掲載いたします。
     *
ようするに23号でのスピーカーの総テストにおける試聴記に対してのLo-Dからのクレームである。
この件は、これで終っているわけではない。

五年以上経った44号。
44号と45号は二号続けてのスピーカーの総テストである。
44号でも、Lo-DのHS530が取り上げられている。

そこでの瀬川先生の試聴記の書き始めである。
     *
 このメーカーの製品は、置き方(台や壁面)にこまかな注意が必要で、へたな置き方をして評価すると、このメーカーから編集部を通じてキツーイお叱りがくるので、それがコワいから、できるかぎり慎重に時間をかけてセッティングした……というのは冗談で、どのスピーカーも差別することなく、入念にセッティングを調整していることは、ほかのところをお読み下さればわかっていただけるはず。
     *
24号当時、ステレオサウンド編集部、瀬川先生、Lo-Dとのあいだで、
どういうやりとたが行われたのかはわからない。
けれど、少なくとも誌面に、その一部は載っている。

これで事が丸くおさまったのかどうかもわからない。
わかるのは記事に対してメーカーからクレームがあり,
そのことに対しての回答を次号で掲載している、ということであり、
さらには五年経って、それとなく書く筆者(瀬川先生)がいた、ということである。

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