アナログプレーヤーの測定(40年前の測定から学ぶ・その3)
テレメールについて知りたい方は、
Googleで「テレメール NEC」で検索してみてほしい。
「テレメール」だけで検束すると、違う分野のテレメールが結果として表示される。
金子一夫氏発表の測定方法は、テレメールの端末で、なんらかの図形を描く。
その図形を送信状態にする。図形を読みとって電気信号に変換し、
カッティングする、というものだ。
音楽信号をカッティングするのではなく、図形を電気信号にしたものをカッティングするわけだ。
それをアナログプレーヤーで再生する。
カートリッジがピックアップした信号を、テレメールの端末を受信状態にして、
電気信号から図形へと変換する。
元の図形と再生した図形とが、まったく同じならば、
そのアナログプレーヤーはきわめて優秀な性能をもっていることになる。
「プレーヤー・システムとその活きた使い方」には、
テスト原図と再生図形例が載っている。
原図は格子状のマス目と、円形とバッテンマークを組み合わせたもので、
これが再生図形では直線が波打ち、円も歪む。
円は三つ描かれているが、歪み方は同じではない。
金子一夫氏によれば、
線のゆらぎ、円の変形でワウ・フラッターの量が比較判別でき、
線の大きな曲りや円の再現位置で、回転数、サーボ周波数のドリフトが判定できる、そうだ。
ターンテーブルは同じままで、トーンアーム、カートリッジを交換した測定の場合、
線や円のゆらぎから、カートリッジ、トーンアームの低域共振の度合も判断できる、とのこと。
つまりターンテーブルはの回転精度だけでなく、
アナログプレーヤー・トータルの測定も可能になるわけだ。
それも数値ではなく、図形という、
いままでの測定方法にはなかった形で提示される。