アナログプレーヤーの測定(40年前の測定から学ぶ・その2)
ステレオサウンド 48号は1978年の秋号だ。
その二年前に、オーディオピープル(1976年3月号)に、ユニークな測定方法が、
ソニーの金子一夫氏によって発表されている。
そのころはいまよりもオーディオ雑誌がいくつもあった。
サウンドメイトもあったし、オーディオピープルもあった。
オーディオピープルも買っていた。
けれど1976年春は、まだオーディオに関心をもっていなかったころで、
そのオーディオピープルを読んでいるわけではない。
なのに知っているのは、1977年に無線と実験/初歩のラジオ別冊として、
誠文堂新光社から「プレーヤー・システムとその活きた使い方」に載っているからだ。
第10章・最近の新しい測定法として、
パルスを応用した測定、テレメールを応用したワウ・フラッターの測定、
レコードを使わないワウ・フラッターの測定について書かれている。
ソニーの金子一夫氏によって発表された測定法は、
テレメールを応用したワウ・フラッターの測定である。
テレメール? という人が大半だろう。
私も「プレーヤー・システムとその活きた使い方」を読むまでは知らなかった。
テレメールを応用したワウ・フラッターの測定とは、
ワウ・フラッターを数値、グラフで表わすのではなく、図形で表示・判別する。
「プレーヤー・システムとその活きた使い方」には、
《電話線で結ばれた加入者相互が、ダイヤルで相手を選び出し、通話確認後、図形や文書を電送するシステムの中に、テレメールというのがあります》
となっている。
一種のファクシミリなのだろう。