アナログプレーヤーの測定(40年前の測定から学ぶ・その1)
テクニクスのSP10Rが登場した。
ダイレクトドライヴの雄であるテクニクスらしい、優秀な回転精度を誇っている。
ワウ・フラッターのカタログ発表値は0.015%以下である。
低い数値である。
ベルトドライヴでは実現困難な数値である。
ダイレクトドライヴのワウ・フラッターは、低い。
ダイレクトドライヴ全盛時代だった40年ほど前は、
カッティングレーサーもダイレクトドライヴ化し、それをう謳っていたレコード会社もあった。
ダイレクトドライヴにはサーボ技術が採り入れられ、
クォーツロックも導入された。
そうやってワウ・フラッターの値は低くなっていったものの、
一部では音が冴えない(悪い)という評価もあった。
ステレオサウンドでの測定では、無負荷状態での速度偏差、
レコードトレーシング字の速度偏差/ダイナミック・ワウを、
グラフで掲載していた。
48号で行われたこれらの測定データを見ると、
テクニクスのSP10MK2は、確かに優秀だった。
カタログ数値では低い値を誇るプレーヤーの中には、
測定グラフをみると、数値では表わせない特徴が、やや悪い意味で現れている機種もあった。
けれど直感的に、回転精度の優秀さが伝わってくるわけではなかった。
メーカーのエンジニアには、これでも十分すぎるデータであっても、
ステレオサウンドの読者にとって、すべての人にとってわかりやすい、とまではいえない。
それは仕方ないことなのか。