Date: 7月 6th, 2018
Cate: フルレンジユニット
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大口径フルレンジユニットの音(その6)

オーディオに興味を持ち始めたころ(1976年)、
市販されているフルレンジユニットの口径に関して、
なぜ30cmクラスの、フルレンジとしては大口径といえるユニットが、
ヨーロッパに多いのか──、その理由がいまひとつわからなかった。

国産のフルレンジユニット(ここではシングルボイスコイルのユニットを指す)、
アイデン、アシダボックス、コーラル、ダイヤトーン、フォステクス、オンキョー、
パイオニア、テクニクスなどから出ていたが、
最大口径はコーラルのBETA10とフォステクスのFP253、どちらも25cm口径である。

30cm口径の、シングルボイスコイルのフルレンジユニットはなかった。

ヨーロッパではグッドマン、フィリップス、リチャードアレンから、
30cm口径のフルレンジユニットが出ていた。

たった三ブランド?
少ないじゃないか、と思われるかもしれないが、
当時輸入されていたヨーロッパのフルレンジユニットのブランドは、
他にはセレッション、イソフォン、ジョーダンワッツ、ラウザー(ローサー)、
シーメンス、タンノイであり、
このうちセレッションは楽器用であり、
イソフォン、シーメンス、タンノイは同軸型2ウェイ。

シングルボイスコイルのフルレンジユニットを出していた五社中三社が、
30cm口径ユニットを出していた。
いずれもダブルコーンである。

このころの私にとって、ヨーロッパのスピーカーの音というのは、
BBCモニター系列のスピーカーの音によってつくられていた。
ゆえに、ヨーロッパの音イコール繊細な音、
そう思っていた私にとって、30cm口径のダブルコーンのフルレンジユニットは、
そのイメージから逸脱していたように感じていた。

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