大口径フルレンジユニットの音(その4)
最初に鳴ってきたAXIOM 402の音は、
大口径のフルレンジということもあって、さほど高域は延びていない。
それでも思っていたよりも出ている、という印象。
この感じだと、別項「聴感上のS/N比と聴感上のfレンジ」でも書いているように、
聴感上のS/N比をよくしていけば、聴感上のfレンジもよくなる、という直観が働く。
もちろん、どれだけやったところでトゥイーターの必要性をまったく感じなくなる、
そういうレベルにはならない。
かけるディスク(音楽)によっては、トゥイーターを、
質のよいドーム型トゥイーターを、カットオフ周波数はかなり高いところで、
コンデンサーだけでのローカットフィルターで足してみたら、
そんなことを私だけでなく、他の人も思っていたようだ。
けれどトゥイーターがほんとうに必要なのか、と思わせるほどよく鳴ってくれるディスクもあった。
喫茶茶会記の店主、福地さんが取り出してくれたディスク、
ディック・ヘイムズの「Rain or Shine」。
1950年代半ばの録音、つまり真空管を使った録音器材。
ぴたっとはまる、といいたくなる印象で鳴ってくれる。
男性の声がいい。
こういうところにも、BBCモニターの系譜が聴きとれる、といっていいのだろうか。
LS5/1Aの38cmウーファーはグッドマン製だった。
そんなことを聴いているときに思い出していたわけではない。
いいなぁー、と思い聴いていただけで、片付けのときに、そんなことを思っていた。
それからブラジル音楽好きのHさんが持参されたラテン系のCDもよかった。
セルソ・シン(Celso Sim)の「O AMOR ENTROU COMO UM RAIO」は、
昨年発売の新しいCDにも関らず、いい雰囲気で鳴ってくれた。
ナラ・レオンのCDもよかった。
イギリスのスピーカーなのに、この手の音楽もうまく鳴らすのか、と少し意外だっただけに、
これらのCDを昨晩聴けたことは、こういう会をやっていればこそ、だ。
私にとって、もっとも意外だったのはカンターテ・ドミノのSACDだった。