オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その10)
ステレオサウンド 207号に購入後の視点的な記事が二本載っている。
和田博巳氏の「ファンダメンタルMA10導入記」、
原本薫子氏の「マッキントッシュMCD550導入記」である。
どちらも四ページ構成の記事だ。
文字数を数えていないが、
amazonのレヴュー投稿よりは、ずっと文字数は多い。
それにどちらも四点の写真もある。
この記事について、購入後という視点で書く予定でいたところに、
友人から、あるサイトのURLがメッセージで届いた。
webCGに六年前に公開された一本の記事へのリンクだった。
「第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ」、
小沢コージという方が書かれている。
その冒頭に書いてあることこそ、購入後の視点ではないだろうか。
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「自分が言うのもなんですが、箱根で新車の試乗会やっても、あまり意味ないと思うんです。みなさんそのつもりで走ってるし、運転がうまい人ほど足りない分を自然に補っちゃうので……」いやはや、とある試乗会で、とあるテストドライバーから衝撃的なコメントを……というか、昔から漠然と抱いていた疑問に対する答えをもらってしまったぜ。いわばそれは、“無意識インプレッション”のススメだ。どういうことかというと、クルマのハンドリングに関する真の評価は、そのドライバーが無意識的に走っている時にこそ行われるべきで、自分で「走るぞ!」と思っている時のステアリングの手応えや操縦安定性の評価など、あてにならないというのだ。
いや、それも大切かもしれないけれど、最も重要なのは、ボーッと走っている時に「いかにドライバーの脳に適切な刺激やインフォメーションを与えられるか」「轍にタイヤを取られたりしないか」といったことであり、プロのテストドライバーは、運転中に意識的にその領域に踏み込んで評価できるという。
まさに達人の境地というか、スターウォーズの“フォース”みたいな話じゃないの(笑)。でも、ダメンズ小沢自身、本当にそうだと思った。というのも実際問題、箱根で走ってると、クルマの動的性能がよく分からない場合が多いのだ。もちろん、“速い”とか“フィールがいい”とか“ブレーキが効く”と感じる部分はあるし、それをなるべく自然体で分かりやすくリポートしようとはしているつもりだが……。
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無意識インプレッションである。
207号の二本の導入記を読んでいて感じていたのは、
購入後の視点といえる記事ではなく、あくまでも導入記としての記事ということだ。