「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その17)
Components of the year、Stereo Sound Grand Prix、
ステレオサウンドが30年以上、State of the Artから数えると40年ほど、
毎年やっているのが、いわゆる賞である。
選考委員はオーディオ評論家に、ステレオサウンドの編集長である。
小野寺弘滋氏はステレオサウンド前編集長で、そうだった。
2011年からオーディオ評論の仕事をされている。
2011年12月発売のステレオサウンドでは、だから染谷一編集長が、
そのポジションにいる。
ということは、あと数年もすれは染谷一氏もステレオサウンドの編集長を辞めて、
オーディオ評論家として、選考委員として加わるのか。
私は、そうだ、と思っている。
ステレオサウンドの、いわゆるビジネスモデルといえる。
仮に十年編集長を務めたあとにオーディオ評論家だとしたら、
2021年に染谷一氏もオーディオ評論家であり、
誰かが新しい編集長になり、その誰かも2031年ごろにはオーディオ評論家。
2031年は13年後、小野寺弘滋氏も現役であろう。
そうだとすると小野寺弘滋氏、染谷一氏、その次の編集長だった人と、
賞の選考委員のうち三人が、ステレオサウンドの編集長だった人、ということになる。
それプラス、その時のステレオサウンド編集長も加わるわけだ。
ステレオサウンドの編集長ではないが、山本浩司氏はサウンドボーイの編集者であり、
HiViの編集長でもあった。
つまりステレオサウンドの人だった。
そうなったとしたら、
少なくとも染谷一編集長が数年後にオーディオ評論家とデビューしたら、
はっきりとステレオサウンドのビジネスモデルといえるようになる。
ビジネスモデルと書けば、多少印象もいいが、
つまりは商売のやり方だ。
株式会社ステレオサウンドがなければ季刊誌ステレオサウンドもなくなるわけだから、
しっかりと商売しなければならないのはわかっている。
それでも、私が考えているとおりになったとしたら……、
そうなったときのことを考えてみてほしい。