Date: 6月 23rd, 2018
Cate: 冗長性
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redundancy in digital(その3)

41号からステレオサウンドを読みはじめた私には、
ベストバイ特集号は43号が初めてであった。

43号は1977年夏号だ。
43号でのカートリッジのベストバイを眺めていくと、
オルトフォンのMC20だけが、全員の評を得ている。

井上卓也、上杉佳郎、岡俊雄、菅野沖彦、瀬川冬樹、山中敬三、六氏全員が、
MC20をベストバイカートリッジと認めている。

五人が選定しているのは、
グレースのF8L’10、デンオンのDL103S、エラックのSTS455E、
フィデリティ・リサーチのFR1MK3、エンパイアの4000D/IIIである。

オルトフォンのSPUが、この時代、どうだったかというと、
SPU-Gが岡俊雄、菅野沖彦、SPU-G/Eが井上卓也、菅野沖彦、
SPU-A/Eが瀬川冬樹、山中敬三、SPU-GT/Eが菅野沖彦、瀬川冬樹と、
いずれも二人だけの選定である。

この時代、すでに軽針圧化の時代だった。
4000D/IIIの針圧は0.25〜1.25g、STS455Eが0.75〜1.5g、F8L’10が0.5〜2.5g(最適1.5g)、
カートリッジの自重も6g前後であった。

SPUは、というと、専用のヘッドシェル込みとはいえ、自重32gで、
針圧はカタログには2〜3gとなっているが、3g以上の針圧を必要とすることは、
43号でも指摘されていた。

しかも当時の国産のアナログプレーヤーでSPUを使おうとすれば、
サブウェイトを使ってもゼロバランスをとれないのが大半だった。

ヘッドシェル込みで24〜27gまでが、当時の上限だった。

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