「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その15)
今回は柳沢功力氏だっただけだ。
今回と同じことが起らない、といえる人はいないだろう。
むしろ今回の件を、avcat氏がツイートしてくれたおかげで、
少なからぬ人が知り、そのうちの一人の方のおかげで、私も知ることが出来た。
私がこうやって、ほぼ毎日、この件について書いていっていることで、
今回の件を知った、という人もいるわけだ。
その人たちが、また仲間内に拡げていく。
電話やメールやSNSで拡散していく。
avcat氏のツイートがなかったなら、
今回の、ステレオサウンドの染谷編集長の謝罪を知る人は、
avcat氏と染谷編集長だけ、であった。
avcat氏にとって、染谷編集長は、とても「物分かりのいい人」であろう。
ステレオサウンド 207号の柳沢功力氏のYGアコースティクスの試聴記に不愉快になり、
そのことについての自身の意見をツイートした。
それを読んだ染谷編集長が、
6月9日と10日開催のアナログオーディオフェアの会場で、
avcat氏をみかけて自発的に謝罪。
その際に《これからこのようなことがないように対策します》といっている。
avcat氏にとって、染谷編集長は、ほんとうにわかってくれている人なんだろう。
謝罪された、というツイートのあとの投稿を読めば、そのことは伝わってくる。
avcat氏には染谷編集長を陥れる意図はまったくなかった、と思う。
むしろ逆だったのだろう。
けれど、今回の謝罪の件と、
染谷編集長が《これからこのようなことがないように対策します》といったことが、
拡散されていくことで、ステレオサウンドというオーディオ雑誌が浮ける痛手を、
avcat氏はまったく考えなかったのか。
《これからこのようなことがないように対策します》、
これは、ステレオサウンドに書いていて生計をたてている人たちに対して、
間接的な恫喝といえるものである。
それに、《これからこのようなことがないように対策します》を、
メーカーや輸入元の人たちは、どう受けとるか。
avcat氏と同じように連続ツイートしていけば、
染谷編集長が自発的に謝罪に来てくれて、
《これからこのようなことがないように対策します》と約束してくれるのか──、
そう捉えることだってできるわけだ。
メーカーや輸入元のスタッフがツイートしても無視されるのであれば、
自社製品のユーザー(できれば染谷編集長と面識のある人)にツイートしてもらえばいい──、
そんなふうに考えるメーカー、輸入元がない、と言い切れるか。