「複雑な幼稚性」が生む「物分りのいい人」(その9)
2011年6月発売のステレオサウンド 179号の誌面に「オーディスト」という言葉が使われた。
別項『「オーディスト」という言葉に対して』で書いたように、
ステレオサウンドの読者をaudist(オーディスト、聴覚障害者差別主義者)と呼ぶことに、
私は強い異和感を覚えた。
現在のステレオサウンド編集長の染谷一氏は178号から、である。
179号は二冊目の、染谷編集長のステレオサウンドである。
染谷編集長は、この件に関しては沈黙である。
私は染谷編集長に謝罪を要求もしないし、
謝罪するもしないのも、染谷編集長が決めることであり、
ずっとこの件に関してだんまりを決め込んでいるのも、染谷編集長の選択なのだろう。
なかなか図太い神経の持主のようだ。
その染谷編集長が、今回の件では、すばやく謝罪しているのに、正直驚いている。
もし私がステレオサウンドの編集長であったなら、
山口孝氏の原稿に出てきたオーディストの意味を調べもせずに使ったとはいえ、
audist(オーディスト、聴覚障害者差別主義者)と、
ステレオサウンドの読者をそう呼んだことは悔やんだろうし、なんらかの謝罪文を載せる。
一方で、今回のYGアコースティクスの件で謝罪したりは絶対にしない。
しかもavcat氏のツイートにあるように《これからこのようなことがないように対策します》と、
染谷編集長が言ったのならば、大きな問題だと思う。
ほんとうに染谷編集長は《これからこのようなことがないように対策します》と言ったのだろうか。
おそらく、この件に関しても染谷編集長はだんまりだろうから、
染谷編集長が《これからこのようなことがないように対策します》と言ったという前提で書いていく。