Date: 5月 27th, 2018
Cate: 数字
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300(その2)

そんな中学生のころ、時速100kmというのは、
高速道路でのスピードであって、
アンプの出力が100Wというのも、同じ感覚として受け止めていた。

時速200kmというのは、当時体験したことはなかった。
初めて新幹線に乗ったのは数年後だし、
いくら高速道路とはいえ時速200kmまで出す人はいなかった。

これとリンクするように、200Wの出力はさらなる大出力という領域に感じていたし、
その上の300W(300km)ともなると、最高出力(最高速度)という感覚であった。

地上で最も速いスピードとしての300km/h、
アンプで最も大出力といえる300W。
当時は、誇張なくそんな感じだった。

セパレートアンプともなると100Wの出力はそう少なくはなかった。
200Wになると、やはり数は減る。
300Wの出力ともなると、1977年でもそう多くはなかった。

300Wが珍しくなくなりつつあったけれど、
まだまだそれほど多くのアンプがあったわけではない。

アキュフェーズのM60(300W)、エトーンのExcellent Power Amp(1000W)、
ラックスのM6000(300W)、サンスイのBA5000(300W)、マッキントッシュのMC2300(300W)、
SAEのMark 2500(300W)ぐらいである。

エトーンのExcellent Power Ampは、
高さ170cmの19インチラックに収められたモノーラル管球式OTLアンプで、
重量は98kgで、消費電力は無信号時で800W(一台)、
価格は3,900,000円(一台)という規格外の製品で、A級動作でも300Wの出力をもつ。

これを別にすれば、300Wは上限の出力だった。

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