Date: 4月 1st, 2018
Cate: デザイン
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オーディオのデザイン、オーディオとデザイン(ダストカバーのこと・その14)

ダストカバーはダストカバーとしてのみ機能しているわけではない。
ハウリングマージンとの関係がある。

ダストカバーを閉じている状態、開いている状態、取り外した状態で、
ハウリングマージンは変化してくる。

1976年に無線と実験別冊として出た「プレーヤー・システムとその活きた使い方」に、
ハウリングの実測データが載っている。

八機種のアナログプレーヤーにおけるダストカバーの状態での測定、
九種類のターンテーブルシートの違いの測定、
置き台、インシュレーター、プレーヤーキャビネットによる違いの測定が載っている。

ダストカバーの状態(開いている、閉じている、取り外している)での違いは、
一概にどの状態がいい結果が得られるとはいえない。

ダストカバーが開いていると、前面からみた面積が閉じている状態よりも大きくなるし、
ダストカバーはヒンジでのみ支えられているため、いわゆる片持ち状態である。

きちんと閉じていれば片持ちは解消されるし、
スピーカーからの直接の音圧を、ある程度はダストカバーが防いでくれる。

大きくみれば、ダストカバーを閉じていたほうがハウリングマージンは改善できる。
それでもこまかく測定データを見ればわかるように、全帯域で改善されるわけではない。

アナログプレーヤーのキャビネットの構造、重量などによって、
部分的な変化には違いが生じている。

ハウリングマージンだけでみればダストカバーは閉じていた方がいいが、
音の面では必ずしもそうとはいえないところもある。

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