オーディオの楽しみ方(つくると秋葉原通い)
1981年に初めて秋葉原に行った。
まだそのころの秋葉原は、オーディオの街といえる雰囲気があった。
それ以前はラジオ、アマチュア無線の街だったのだろうと思うし、
オーディオの街から、AV(ホームシアター)の街へと変り、
そのあとはパソコンの街であった。
大ざっぱにいえば、十年単位くらいで変っていっているようにも感じられる。
いまの秋葉原といえば、もうパソコンの街でもなくなっている。
私はいまの秋葉原も嫌いではない、というより、けっこう好きである。
でも、すっかりオーディオの街であった時代から遠ざかったな……、と思っていた。
今年になって、秋葉原にけっこう行っている。
こんなに頻繁に秋葉原へ行くのは、ずいぶんなかった。
パーツを買うためであり、そのパーツは、スピーカーの自作のためである。
すべてが秋葉原で手に入るわけでもないし、
インターネット通販を使えば、秋葉原にわざわざ行く必要は、ほとんどなくなる。
でも秋葉原まで出掛け、直接店で買う。
時間の無駄、という人がいる。
いまならスマートフォンで大半のモノが注文でき、家に届く。
電車に乗って、歩いて店に行って、モノを探す。
そういう時間は無駄なのか。
無駄と思う人と思わない人がいて、
今回の自作スピーカーに関しても、段階を踏んでの作業である。
一度にすべてやってしまえば、
秋葉原に行くにしても、一度で済むし、無駄な時間をかなり省ける──、
そんなふうには私は考えない。
行くのが楽しいのだ。
しかもひとりで行っても楽しいし、
気の合うオーディオ仲間・友人と一緒にいくのもまた楽しい。
私はオーディオマニアだ。
そうやって耳の記憶の集積を考え、高めていく。