「菅野録音の神髄」（その５）
「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」では、
スレッショルドのパワーアンプは三機種取り上げられている。
Stasis 3、Stasis 2、Stasis 1である。
Stasis 3では、菅野先生はこういわれている。
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それから「ダイアローグ」も、全体に落ち着いた、力がないということではないんてずが、おとなしい雰囲気で鳴らしてくれます。
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この発言のあとに柳沢、上杉両氏の発言があり、最後のほうでは、こうもいわれている。
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いや、ぼくももうちょっと野性味みたいなものがほしいと思います。「ダイアローグ」でちょっと不満をいったのは、実はその点なんですね。決して物足りないとか、弱々しいというんではないんですが、やはり音の鳴り方が端正なんでしょうね。
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Stasis 3は760,000円だった。その上のStasis 2（1,138,000円）となると、
「ダイアローグ」の鳴り方は
《明らかにステイシス３よりも力強くたくましく鳴ってくれました。スリリングという店ではこちらの方がグーッときましたね》
と変化している。
Stasis 1は、モノーラル仕様で3,580,000円していた。
Stasis 2の三倍である。
しかも出力はどちらも200Wである。
けれど菅野先生の「ダイアローグ」について印象は、
Stasis 3、Stasis 2とは別格であることを感じさせてくれた。
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「ダイアローグ」はソリッドな音で、ドラムスの音なんていうのはものすごく詰っていて、何かそこから飛び出してくるんではないかと思えるほど緻密な音が聴けました。ブラシでタンバリンを叩いた音が空間にサーッと抜ける情景などは、音が見えるような感じです。
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これを読んだときは《何かそこから飛び出してくるんではないかと思えるほど》の音で、
「THE DIALOGUE」を聴いていたわけではなかった。
その感じは、アナログディスクからCD、SACDとなっても、確実に残っている。
うまく鳴ったときは、何かが飛び出してくるような、
それゆえにスリリングな感じがいっそう増してくるところがある。
他にも「’81世界の最新セパレートアンプ総テスト」からは、
「THE DIALOGUE」についてまだまだ引用したいところはあるが、
このくらいにしておこう。