Date: 1月 11th, 2018
Cate: 4343, JBL
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4343とB310(その27)

フルレンジからスタートする瀬川先生の4ウェイへのプラン。
このプランで、見落してはいけないのは基本的にマルチアンプドライヴである、ということ。

LCネットワークはミッドハイのハイカットとトゥイーターのローカットのみだ。
フルレンジからスタートするのはいい。
けれど、この瀬川先生のプランはアンプの数が増えるし、それだけシステムの規模は大きくなる。

そういいながらも、瀬川先生がLCネットワークを極力使われない、というのも理解できる。
フルレンジからスタートするプランであるからこそ、LCネットワークの排除とも考えられる。

フルレンジを一発で鳴らしたときの音の良さは、
ユニットが最少限ということもあるが、アンプとフルレンジユニットの間に、
コイルもコンデンサーも、抵抗も介在しないことによる良さがある。

LCネットワークでシステムを組むのであれば、
フルレンジユニットに対して、ローカットとハイカットのフィルターが入ることになる。

その26)で、4ウェイになると、ユニットは四つだが、フィルターの数は六つになり、
フィルターの数で考えれば、4ウェイは六次方程式を解くようなものだ、と書いた。

六次方程式なのは、LCネットワークであろうとマルチアンプであろうと変りはしないが、
どちらがより難しい六次方程式かといえば、LCネットワークのはずだ。

しかもネットワークの次数が高次になればなるほど、さらに難しくなっていく。
そうやって考えると、ボザークがスコーカーに16cm口径のフルレンジ的ユニットをもってきて、
ネットワークを、もっともシンプルな6dB/oct.のネットワークとしたのは、
位相重視の設計もあっただろうが、
フルレンジの音質的メリットを活かす意味合いも大きかったのではないか。

そういう視点から、
別項で書いているSICAのフルレンジユニットを中心としたマルチウェイのシステムを考え直すと、
違うシステムの構築の仕方が求められてくる。

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