パノプティコンとしてのコントロールアンプ像(その5)
パノプティコン(Panopticon)は、全展望監視システムのことである。
もっと詳しいことを知りたい方はGoogleで検索していただきたい。
ここでテーマとして考えているのは、
コントロールアンプがオーディオシステム全体を監視・管理・制御できるようになり、
さらにはリスニング環境を含めてのことである。
たとえば、こんな機能があっていいと思うのは、
個々のオーディオ機器の診断である。
どんなオーディオ機器であっても、初期性能をずっと維持できるわけではない。
使っているうちに性能は、少しずつ衰えていく。
音が出なくなるとか、ノイズが出るようなったとか、そういう症状が出れば、
修理に出すけれど、そういう症状が出なくとも、初期性能は劣化している。
神経質な人であれば、定期的にメーカー、輸入元にチェックに出すかもしれない。
けれど、どこといって異状の感じられない機器を、しばらくのあいだとはいえ、
リスニングルームから持ち出すことは、気乗りしない。
移動すれば、それだけで事故に合う可能性が出てくる。
たいていは無事戻ってくるだろうが、万が一ということが絶対にないとはいいきれない。
それに振動や衝撃がオーディオ機器に与える影響もある。
できればリスニングルームにおいて、初期性能がどれだけ維持できているのか、
どれだけ性能が劣化しているのか、故障につながるような劣化が発生していないか、
そういったことを、特別な技術的な知識なしに可能になれば──、とおもう。
以前マッキントッシュは、マッキントッシュ・クリニックというアフターサービスを行っていた。
いまもやっているのどうかは調べていないが、
1970年代のアメリカでは行われていたことが、
ステレオサウンド「世界のオーディオ」のマッキントッシュ号に載っている。