VUメーターのこと(その19)
コントロールアンプ、パワーアンプ、プリメインアンプにメーターをつける。
なぜ、メーカーはつけるのか。
1970年代には、メーターをつけたほうが売れるから、という理由があったようだ。
そんなことがオーディオ雑誌に書いてあった。
そうかもしれないが、それだけがメーターをつける理由ではないはずだ。
メーターをつけるということは、
透明の素材をフロントパネルに採用することである。
アンプのメーターでも、アナログテスターでも、
針を保護する意味でも、針の前面には、ガラスもしくはアクリルが使われる。
透明な素材で、硬質であっても、金属の硬質さとは違う。
そういう素材が、フロントパネルに部分的に使われることになる。
このことは、アンプのデザインするさいに、
デザイナーにとっては、どうなんだろうか。
ただ単にフロントパネルにメーターをつける、というふうに、
中学生のころの私は、そんなふうに捉えていたが、
いまはそんなふうには思っていない。
メーターをつけるということは、フロントパネルに金属以外のなにかが、加わる。
場合によってはかなりの面積を占めることにもなるわけだ。
しかもメーターのガラス(もしくはアクリル)は、
フロントパネルと面一(ツライチ)のこともあれば、
少し奥に引っ込んでいる、反対に前に出ていることもある。
くわえてメーターの照明がある。
メーターの文字盤も、金属とは違う素材である。
これらのことに留意してメーターつきのアンプをふり返ってみる。
できれば写真だけでなく、実物(それも電源をいれた状態)をみたい。
10代、20代のころには気づかなかったことが、いまなら気づくはずだ。