Date: 8月 12th, 2017
Cate: 真空管アンプ
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五極管シングルアンプ製作は初心者向きなのか(その14)

私がオーディオに興味を持ち始めた1976年よりも、
おもしろいことに、いまの方が真空管アンプを作っているメーカーの数は圧倒的に多い。
当然、真空管アンプ自体の数も増えている。

価格もそうとうに安いモノから、そうとうに高価なモノまではと、
以前よりもその差はそうとうに大きくなっている。

つまりいまの真空管アンプは、それだけ玉石混淆といえるわけで、
安いモノの中には、どうしたらこの値段で売れるのか、と考えてしまうほど安価なモノがある。

自作のメリットのひとつに、よく安く手に入れられる、ということが挙げられる。
これなど本当に疑問で、よくよく考えてみれば、安く手に入れられるわけでもない。

中国製の真空管アンプの安さは、自作の経験のある人からみれば驚きでもある。
秋葉原で売っている部品を、安価な部品だけで揃えたとしても、
あそこまで安く仕上げられるわけではない。

もっとも中国製真空管アンプの中に、真空管は飾り(ヒーターだけ点火している)で、
実際の増幅はOPアンプ、パワーICというモノもある、ときいている。

そんな見せかけだけの真空管アンプは別として、
ただ真空管アンプを安く手に入れたいのであれば、
自作するよりも中国製を買った方がいい、ともいえる。

ここは昔とは違ってきている。
そういう状況の中で、初心者が真空管アンプを自作することの意味を、
6L6を使った五極管シングルアンプ製作は初心者向き、とすすめる人は、
どう考えているのか、それともまったく考えていないのか。

自作するのは、自分だけのモノが手に入る、という人がいる。
確かに設計から製作まで行えば、その人だけのモノといえるが、
ここでテーマにしているのは初心者が初めて製作する真空管アンプである。

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