ホーン今昔物語(その6)
マンタレーホーンを使用したアルテックのシステム、
MANTARAY HORN + 817A Systemは、ステレオサウンド 49号の新製品紹介に登場している。
ただ音に関しては、あまり語られていなかった。
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以上の新機種にA5のユニットを、ネットワークを組み合わせた新システムは、A5に比べfレンジはやや狭い感じがあるが、より強力なサウンドサプライが可能だ。
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山中先生による記事の最後に、数行あるだけだった。
これだけではものたりないし、マンタレーホーンという、
いままでになかった形状のホーンについての真価も伝わってこなかった。
49号は1978年12月発売、58号は1981年3月発売だから、
定指向性ホーンの試聴記事がステレオサウンドに載るのに、二年以上経っていた。
58号の「ユニット研究」はカラーページだった。
そこに登場したJBLの定指向性ホーン(バイラジアルホーン)2360は、
やはりマンタレーホーンと同じくらいに大きなモノだった。
開口部が大きいだけでなく、奥に長いホーンである。
「ユニット研究」にも、
《この2360、とにかく大きくて長いホーンだ。エンクロージュアの上にセットするのに苦労した》
とある。
ここで使われているエンクロージュアはJBLのフロントショートホーン付きの4560である。
奥行き60.6cmの4560であっても、それ以上に長い2360なのだから、大変だったはずだ。
JBLのバイラジアルホーンは三機種出ていた。
2360、2365、2366である。
2360が、この中では指向特性が広い。
それに小型でもある(あくまでも2366と比較してのことだ)。
2360は水平93°、垂直46°、2365は水平66°、垂直46°、2366は水平47°、垂直27°。
気になるホーンのサイズだが、開口部は三機種とも79.5cmの正方形。
奥行きは2360と2365が81.5cm、2366が139.0cmとなっている。