Date: 6月 21st, 2017
Cate: スピーカーとのつきあい
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ホーン今昔物語(その4)

アルテックの単体のマンタレーホーンMR64とMR94は、1978年に登場している。
開口部は604-8Hのホーンよりも、さらに正方形に近くなっている。

MR94はカットオフ周波数500Hzで、外形寸法W86.4×H61.0×D71.1cm、
MR64g カットオフ周波数は500Hzだが、MR94が水平90°、垂直40°の指向性に対し、
水平60°、垂直40°ということで、横幅が71.1cmと、開口部はほぼ正方形といえる。

MR94とMR64を見て、最初に感じたのは従来のホーンよりもかなり大きく、
しかも奥行きが長い、ということだった。

どちらもマンタレーホーンもスロート径は1.5インチだから、ドライバーは288となる。
288は、アルニコの288-16Gもフェライトの288-16Kも奥行きは14.8cm。
つまりマンタレーホーンと288ドライバーの組合せは、奥行き85.9cmになる。

マンタレーホーンが登場したあとも、アルテックの従来のホーンは残っていた。
811B、511B、311-60、311-90、1501Bなどが現行製品だった。

マンタレーホーンはカットオフ周波数は500Hzで、推奨クロスオーバーは800Hzだった。
811Bが推奨クロスオーバーは800Hzの従来ホーン(セクトラルホーン)で、
こちらの外形寸法はW47.0×H22.0×D34.0cmで、スロート径は1インチだから806、802ドライバーを使う。

806の奥行きは8.4cm、802は9.7cm。
811Bとの組合せで、802を使っても奥行きは43.7cmと、
マンタレーホーンと288ドライバーの組合せのほぼ半分である。

ドライバーが違うのだから、音が同じなわけではないが、
単に800Hzから使えるホーン・ドライバーシステムとしての奥行きの長さをを比較すると、
定指向性ホーンは、従来ホーンとは大きく異る理論で設計されていることは、
当時高校生だった私にも容易に想像できた。

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