Date: 6月 8th, 2017
Cate: audio wednesday
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30年ぶりの「THE DIALOGUE」(その2)

いわば慣れでもあるし、条件反射のように判断しているのだろう。
ここでも、そうだそうだ、と思い出すことがあった。

瀬川先生がステレオサウンド 53号で、
JBLの4343をオール・レビンソンでバイアンプ駆動された記事中に、それはある。
     *
 プラグの向きで音はいったいどう変化するのか。
 たとえば音の立体感、音の粒立ち、音像の輪郭がどちらが明瞭になるか。そして全体の響きがどちらがきれいか……。ひと言でいえば、音がいっそうクリアーで美しい方向が、正しい接続といえる。それを聴き分けるには、よく聴き馴れたレコードでむろんよいが、たとえばオーディオ・ラボ・レコードの「ザ・ダイアログ」(菅野沖彦氏の録音)など、わりあい短時間で音を掴みやすいソースのひとつといえる。とくに冒頭のベースとドラムスのダイアログ。
 まずドラムスのソロから始まる。スネアの切れこみ、ハットシンバル、そしてバスドラム、すぐにベースが入ってくる。この部分だけでも、聴き分けができる。このACプラグの差しかえは、あまり長く聴いて考え込まずに、短時間で、なかば直感的に差を聴き分け、正しい方向を掴んでゆくことがひとつのコツだ。といって、雑にこれをやって一ヵ所間違えば結局うまくゆかない。きょうは冴えているな、と自分でも思える日に、十分に研ぎ澄ました神経で瞬間的に聴き分ける。
     *
ここに書かれていることは大袈裟でも誇張されているわけでもない。
その通りのことである。

「THE DIALOGUE」の一曲目、
ドラムスとベースの対話の冒頭の、そう長くはないところだけで聴き分けができる。

昨晩来られた方は、「THE DIALOGUE」を初めて聴く人ばかりだった。
なので判断に時間は必要だったのかもしれないが、
「THE DIALOGUE」を集中的にしつこいくらいに聴いていれば、
短時間での判断はできるようになるはずだ。

もちろん、すべての音の判断が「THE DIALOGUE」だけで短時間にできるというものではない。
それでもいくつかの音の判断において、
それもACプラグの極性の判断のように、直感的に判断したほうが的確といえることに関しては、
「THE DIALOGUE」は、いまも好適なプログラムソースである。

昨晩は何回「THE DIALOGUE」をかけただろうか。
10数回はかけている。

他の人はどうだったのかわからないが(あえて聞きもしなかったが)、
私に関しては、「THE DIALOGUE」を聴いていると体温が上っている感じがしていた。
それも少しずつ音を詰めていくとともに、体温の上昇をはっきりと感じていた。

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