THE DIALOGUEと38W(感覚論としてのエネルギー伝送と信号伝送)
これまでに何度か書いているように、
個人的な感覚論にしかすぎないことなのだが、
私にとってアナログディスクはエネルギー伝送、CDは信号伝送、というイメージへとつながっている。
「THE DIALOGUE」はLPで聴いてきた。
もちろん33 1/3回転盤である。
「THE DIALOGUE」は、オーディオラボのLPでもそうとうに売れたのだろう。
しばらくしてUHQR盤による78回転盤も登場した。
手離してしまって、もう手元にはないが、
片面に一曲ずつカッティングされていた、と記憶している。
「THE DIALOGUE」の78回転盤を聴けば、
アナログディスクはエネルギー伝送メディアだと実感する。
ここまでいかなくとも、45回転盤でも同じように感じる。
信号伝送という点からだけみれば、大口径ウーファーよりも小口径ウーファーとなろう。
小口径ウーファーよりもヘッドフォン、さらにはイヤフォンへといこう。
けれどエネルギー伝送メディアと、
感覚的にとらえられるアナログディスクからオーディオに入ってきた者にとって、
信号伝送よりもエネルギー伝送系としてのシステムの構築は,皮膚感覚として排除できない。
私はLPからだったが、SPの時代からオーディオにのめりこんできた人にとっては、
私以上にアナログディスクをエネルギー伝送メディアととらえていても不思議ではない。
もちろん最初に書いているように、あくまでも感覚論である。
アナログディスクを信号伝送メディアととらえても、間違いではない。
それでもオーディオショウなどで、ハイレゾリューション再生を聴いていると、
デジタルにおいて、ハイサンプリング、ハイビットとなることで記録できる情報量は増えるし、
その精度も向上しても、エネルギー量(感覚的には、ではある)が増しているようには、
いまのところ感じることはできていない。
実のところ、自分のシステムでハイレゾリューション再生には取り組んでいないので、
あくまでもオーディオショウやオーディオ店で聴いたかぎりの感想にすぎない。
このへんは自分でやることによって印象は変化してくるであろうが、
それでもエネルギー伝送メディアとしてのアナログディスクの優位性のようなものは、
おそらく私のなかでは変らないかもしれない。
そんな私にとって38Wは、エネルギー伝送系の最後を担うわけだ。
78回転の「THE DIALOGUE」を聴いている私には、
このふたつを切り離して考えられないところがある。