Date: 5月 7th, 2017
Cate: 終のスピーカー
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無人島に流されることに……(その1)

音楽雑誌、オーディオ雑誌でも、
この手の記事が昔から続いている。

「無人島に流されることになったら、どのレコード(ディスク)を持っていくか」である。
音楽雑誌、オーディオ雑誌だからレコードであるわけだが、
一般雑誌では、どの本を持っていくか、である。

「無人島に流されることになったら……」、
この手の記事を読むのは楽しいけれど、
この質問をされたら、考え込んでしまうだろう。
レコードにしても、本にしても、何を持っていくのかは、
どれだけ持っていけるのかも関係してくるし、
無人島に流される期間が死ぬまで続くのか、
一年とか五年とか、その期限が来たら、元の生活に戻れるのか、
そういったこととと決して無関係ではない。

それにレコード(ディスク)の場合、
当然、再生装置が必要になるわけで、
無人島に電気があるわけないだろう、ということは無視して、
再生装置とそれが設置できる空間は用意されているという前提がなければ、
この手の質問は成り立たない。

再生装置もレコードと同じように選べるのか。
だとしたら、どういう再生装置を選ぶのか。

これもレコードと同じで、無人島に流される期間によって左右される。
それに持参するレコードによっても左右される。
レコードの選択自体も、再生装置によって左右される。

こんなふうに考えていくと、レコードの選択はできなくなるから、
「無人島に……」という質問(記事)の場合、
流される人が現在所有している(鳴らしている)再生装置が、
そのまま無人島での再生装置となる、という無言の大前提があるのだろう。

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