Date: 5月 2nd, 2017
Cate: アナログディスク再生
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ダイレクトドライヴとカートリッジのコンプライアンス(その1)

私がオーディオに興味を持ち始めた1976年は、
国産のアナログプレーヤーはほぼすべてダイレクトドライヴ型といえた。

海外製品でもアイドラードライヴは、EMTの930stと927Dst、
ガラードの401にマイクロトラックのModel 740、デュアルの1225、BSRくらい、
ベルトドライヴも少なかった。
リンのLP12、トーレンスのTD125、エンパイアの698、EMTの928、
これらの他にデュアル、シネコ、B&Oなどがあった。

ベルトドライヴを出していた海外メーカーも、
翌年、翌々年にはダイレクトドライヴに移行していた。

にも関わらず1970年代が終ろうとしていたあたりから、
ダイレクトドライヴ型プレーヤーの音質への疑問がいわれるようになってきた。
このことは別項「ダイレクトドライヴへの疑問」でも書いている。

ダイレクトドライヴ型があっというまに席捲し、
数年後には疑問がもたれたことには、
カートリッジのコンプライアンスも関係しているように思われる。

MC型カートリッジのブームが1970年代の終りにやってきた。
ステレオサウンド別冊として、
長島先生による「図説・MC型カートリッジの研究」が1978年秋に出ている。

MM型、MI型カートリッジに比べれば、
このころ新しく登場したMC型カートリッジであっても、針圧は重めである。
つまりローコンプライアンスである。

もしMC型カートリッジのブームが訪れなかったなら、
ダイレクトドライヴ型への疑問は生れなかったか、
もしくはもっと後のことになっていたかもしれない。

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