ダイレクトドライヴとカートリッジのコンプライアンス(その1)
私がオーディオに興味を持ち始めた1976年は、
国産のアナログプレーヤーはほぼすべてダイレクトドライヴ型といえた。
海外製品でもアイドラードライヴは、EMTの930stと927Dst、
ガラードの401にマイクロトラックのModel 740、デュアルの1225、BSRくらい、
ベルトドライヴも少なかった。
リンのLP12、トーレンスのTD125、エンパイアの698、EMTの928、
これらの他にデュアル、シネコ、B&Oなどがあった。
ベルトドライヴを出していた海外メーカーも、
翌年、翌々年にはダイレクトドライヴに移行していた。
にも関わらず1970年代が終ろうとしていたあたりから、
ダイレクトドライヴ型プレーヤーの音質への疑問がいわれるようになってきた。
このことは別項「ダイレクトドライヴへの疑問」でも書いている。
ダイレクトドライヴ型があっというまに席捲し、
数年後には疑問がもたれたことには、
カートリッジのコンプライアンスも関係しているように思われる。
MC型カートリッジのブームが1970年代の終りにやってきた。
ステレオサウンド別冊として、
長島先生による「図説・MC型カートリッジの研究」が1978年秋に出ている。
MM型、MI型カートリッジに比べれば、
このころ新しく登場したMC型カートリッジであっても、針圧は重めである。
つまりローコンプライアンスである。
もしMC型カートリッジのブームが訪れなかったなら、
ダイレクトドライヴ型への疑問は生れなかったか、
もしくはもっと後のことになっていたかもしれない。