ケーブル考(その6)
ケーブルを、関節だと考えるようになったきっかけは、
別項で、骨格のしっかりした音について書いている時だった。
骨格のしっかりした音を出していく上で、
まず重要なのはスピーカーであるわけだが、ここでケーブルによる音の変化について考えていて、
それは関節にあたるのではないか、と気づいた。
骨格のしっかりした音とは、
骨格のバランスがとれている音でもあるはず。
そう考えると、関節があるべきところにある音ともいえる。
たとえば腕の長さが同じでも、
手首と肘の間隔、肘と肩の間隔の比率が大きく違っていたら、
それは骨格のしっかりした音、骨格のバランスのとれている音とはいえない。
言葉にとらわれすぎてケーブルについて考えていることはわかっていても、
機能的にみれば、オーディオを内部からとらえてみればケーブルは神経であり血管であるが、
そこから出てくる音からとらえていけば、ケーブルは関節でもあるし、
オーディオ機器を配置することからみても、ケーブルは関節といえる。
とはいえ、骨格のしっかりした音について書いていたときも、
この「骨格のしっかりした音」についての説明が難しい、と感じていた。
音を表現する言葉はすべてそうなのだが、その中でも「骨格のしっかりした音」については、
人によって捉え方、というか理解が大きく違うように感じているから、
ケーブルは関節である、と説明しても、同意してくれる人もいるはずだが、
どんなに説明しても理解してくれない人もいよう。
それでも書いているのは、ケーブルを一度「関節」という視点でとらえてほしいからだ。