Date: 4月 17th, 2017
Cate: デザイン
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「貌」としてのスピーカーのデザイン(その3)

4350とDD66000は、同口径のダブルウーファーとはいえ、
ユニット構成で違うところがある。

4350は4ウェイで、12インチ口径のミッドバスがあり、
中高域のホーンも音響レンズ付きで、大きさもそれほどではない。
DD66000にはミッドバスはなく、中域ホーンも大きく横に長い。

だからDD66000全体が、何かの顔に見えてくるわけではない。
DD66000と同じといえるユニット構成のスピーカーは、昔からあった。

横にウーファーを二基並べ、その上に大型のホーンという構成は、
むしろ以前のほうが多かった、といえる。

それらのスピーカーシステムをすべて聴いているわけではないが、
いくつかは音を聴いているし、大半は実物を見えてもいる。

つまりDD66000以前、それらのスピーカーシステムを見ても、
何かの顔をイメージすることは一度もなかった。

なのに、なぜDD66000は違うのか。

ユニット構成、ユニット配置に起因することではなく、
デザインに起因する。

DD66000以前の同種のスピーカーシステムは、
フラットなフロントバッフルにスピーカーユニットが取り付けられていた。

ウーファーだけがエンクロージュアにおさめられ、
ホーンはエンクロージュア上部に置かれているシステムでも、
フロントバッフルはフラットである。

DD66000の二基のウーファーが取り付けられているバッフルは、
一枚のフラットな板ではない。

それぞれのウーファーを取り付けた板が、角度をもって接合されている。
それだけでなく、DD66000のフロントは、全体的にフラットとはいえない。

中高域のホーンも、ホーン単体で構成されているのではなく、
ホーンの左右は、エンクロージュアの一部でもある。

エンクロージュア下部は、中央が奥に曲線を描いて引っ込んでいる。
ウーファーバッフルの中央が、同一線上にあり、前に出ているのと対照的である。

DD66000のデザインをわかりやすくいうなら、
凹凸のあるデザインであり、私には成功しているとは到底思えないのだ。

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