オーディオ機器を選ぶということ(購入後という視点・その7)
現在の話ではなく、昔のことだ。
私が熱心にステレオサウンドを読んでいたころのことだ。
ステレオサウンドのライバル誌は、どれだったのか。
同じ季刊誌であった別冊FM fan、オーディオアクセサリーだったのかといえば、
そうではなく、月刊誌のスイングジャーナルであった。
ステレオサウンドはオーディオ雑誌、
スイングジャーナルはジャズの雑誌であり、
同じジャンルの雑誌とはいえない面もあるけれど、
オーディオのことだけに絞っても、スイングジャーナルがライバルてあった、といえる。
おそらくスイングジャーナル編集部も、
ステレオサウンドをライバルとみていたであろう。
ステレオサウンドとスイングジャーナルは、違う。
上に挙げたこと以外にも違いはある。
私がいちばん違うと感じていたのは、読者との関係である。
そのころのスイングジャーナルには、「読者の頁」というのがあった。
交歓室、バンド・スタンド、SJアンテナ、私も評論家、なんじゃもんじゃ博士、質問室、
売買交換室から構成されたページであった。
10数ページあった。
ステレオサウンドには、この手のページは、ほとんどなかった。
オーディオ機器の売買欄はあったけれど、
それ以外の、読者の感想、意見、提案などを語れるページはなかった。
私は「読者の頁」のように読者が積極的に関われる記事があるのを、
毎号、必ずしも必要とは考えていない。
むしろ、当時、読者だったころは必要ない、とも思っていたし、
ステレオサウンドの編集に携わっていたころも、そう考えていた。
けれど、いまになって「読者の頁」について考えている。