セッティングとチューニングの境界(その13)
オーディオの使いこなしに限らない、
何かを身につけるには、正しいやり方による修練でなければならない。
独学だということを誇らしげにいう人もいるが、
そういう人の多くは独学ゆえの未熟なやり方であり、
そんなことをくり返し長い期間を続けてきても、
あるレベル(そう高いレベルではない)までは行けても、
それ以上のレベルには、独学だけではどうにもならない。
独学そのものが、独学のすべてがそうだというわけではないが、
独学は往々にして苦手なところを避けがちであり、
本人にそういう気持はなくとも、楽な方へと流れてしまいがちでもある。
だからといって、誰かについて学べばいいのか、というと、そうでもない。
誰を師とするかが、ここでは重要である。
鍛えられていない人を師とすれば、そこまで、である。
師をもつオーディオマニアは、意外に多い。
○○さんがオーディオの師です、という人はけっこういる。
○○さんは、決して有名な人ではなかったりする。
何も有名な人が師だからいいというものでもないし、
無名の人にも、優れたオーディオマニアはおられる。
けれど、○○さんが師です、といっている人を見ていると、
○○さんがどのくらいのオーディオマニアであったのか、間接的に知ることになる。
○○さんが師です、といっている人のやり方が、とても偏っていることが多いからだ。
○○さんが師です、という人の理解が悪くて、そうなっているのかもしれない。
○○さんは、素晴らしいオーディオマニアの可能性だってある。
○○さんを知らないのだから、どちらなのかははっきりとわからない。
素晴らしいオーディオマニアであっても、○○さんはおそらく鍛えられていない人だとは思う。
鍛えられている人ならば、人を鍛えることができるはずだからだ。