アナログディスク再生・序夜(その2)
ふたつのスタビライザーを用意して、聴ける音は三つ、と考えがちだ。
スタビライザーを使わない音、
トーレンスのスタビライザーにした音、山本音響のスタビライザーにした音。
けれどスタビライザーがひとつでも、基本的に三つの音を聴くことができる。
だからふたつのスタビライザーがあれば、七つの音が聴ける。
このスタビライザーの、少し意外な使い方による音の変化は大きい。
スタビライザーをレコードのレーベルに乗せるのは、個人的にはあまり好まない。
使う時もあれば、使わない時もある。
スタビライザーの使用によって、音が良くなると考えるよりも、
トーンコントロールみたいなものと思って使っている。
使うスタビライザーの性質をわかっていれば、乗せたり外したりは、すぐに判断がつくようになる。
このスタビライザーによる七つの音は、最後にもう一度行った。
スタビライザーの少し意外な使い方は、私が担当した井上先生の記事で書いている。
記事を憶えている方ならば、すぐにわかるはずだ。
松田聖子のLPをくり返し聴いていたときに、
参加された方の聴いているポイントは少しずつ違っていた、と感じた。
私はというと、Kさんが松田聖子のディスクを持参されることもあって、
ここ数年聴く機会が増えた。
松田聖子のデビューは1980年だから、まだ実家暮しで、
テレビから流れてくる松田聖子の歌を聴くくらいだった。
松田聖子のディスクを買ったことはなく、
1980年ころのテレビでの松田聖子によって、イメージができ上がっていた。
アイドル歌手としての松田聖子だった。
でも松田聖子のCDなりLPを聴く機会があって、感じたのは松田聖子はプロの歌手だということ。
だから松田聖子の声質よりも、松田聖子の歌の表現力がどれだけ拡がるかを、まず聴いている。