マルチアンプのすすめ(その39)
タンノイとアルテック。
イギリスの同軸型ユニットとアメリカの同軸型ユニット。
タンノイのユニットはロックウッドのスピーカーシステムにも搭載されていた。
アルテックのユニットはUREIのスピーカーシステムにも搭載されていた。
UREIのModel 813は、アルテックの604-8Gを使いながらも、
独自の特許取得のネットワークにより、
ウーファーとドライバーのタイムアライメントをとっていた。
そのUREIにもエレクトリックデヴァイディングネットワークはある。
Model 525である。
このモデルは、タンノイのXO5000がいわばタンノイ専用モデルなのに対し、
いわゆる汎用モデルである。
Model 525は2ウェイ・3ウェイのデヴァイダーで、
二台用意してモノーラル使いにすれば4ウェイ・5ウェイ用となる。
そのためだろうか、XO5000にはある遅延機能(タイムアライメント)はない。
タンノイはスピーカー内蔵のネットワークでは、タイムアライメントをとっていない。
おそらくネットワークが複雑になるのを避けたのだろう。
かわりにXO5000を使ったバイアンプドライヴではタイムアライメントがとれるようにしている。
UREIはネットワークでタイムアライメントをとっている。
けれどModel 813をマルチアンプドライヴしようとしたら、
604-8Gに関しては内蔵ネットワークを使い、サブウーファーのみをバイアンプドライヴとするか、
内蔵ネットワークを使わずに3ウェイのマルチアンプドライヴとするのであれば、
当時市販されていたデヴァイダーではタイムアライメントがとれない。
対照的といえるコンセプトの違いである。