電子制御の夢(カセットデッキの場合)
the re:View (in the past)の更新を再開している。
といってもiMacは故障したままなのでテキストでの更新である。
昨日は井上先生のナカミチの1000ZXLの記事を入力していた。
ステレオサウンド 57号(1980年)の記事である。
このころからオーディオ機器の広告、記事に、マイコン搭載という文字が登場するようになった。
カセットデッキに最初に搭載されたマイコン(マイクロコンピューター)は、
4ビットだ、と聞いている。その後、6ビットのものを搭載した製品があらわれ、
1000ZXLになると、8ビット・マイコンが搭載されていて、
各部の調整が電子制御となっているのが特徴である。
この時代の8ビット・マイコンを、現在の家電に搭載されているCPUに置き換えたら……、
そんなことを入力しながら考えていた。
ナカミチという名前だけはまだ残っているようだが、
当時のナカミチという会社は、すでにない。
1000ZXLのようなカセットデッキを開発できるところは、いまではないだろう。
カセットテープに関しても、TDKのMA-Rレベルのものを製造できるところもないだろう。
だから単なる妄想にすぎないのだが、
いまも当時のナカミチに匹敵する会社があって、
そこが本気になって1000ZXLを超えるカセットデッキの開発を行ったら……。
そこに搭載するマイコン(いまではこんな表記は使わないけれど)は、
1000ZXLのそれとは比較にならないほど処理能力は高い。
いまなら、どこまでカセットテープの性能を引き出せるだろうか、と思うのだ。
あのころのナカミチの技術者が目指していながら実現できなかったところはあるはずだ。
いまの電子制御の技術があれば到達できるレベルがあったはずだ。
片方の技術が進歩すると、もう片方の技術の進歩は止ってしまうどころか、
退歩してしまうこともある。
ふたつの異る技術が融合することで素晴らしいモノがうまれるところにおいても、
そうであったりする。