セッティングとチューニングの境界(その2)
後述するが、ケーブルを作ってきてよかったと思ったのは、
「能×現代音楽 Noh×Contemporary Music」を鳴らしたからだった。
このCDでのチューニングの際の音の変化を聴いていて、
喫茶茶会記標準のケーブルでは、こうはうまくならなかったという判断があったからだ。
ケーブルを交換したあとは、アンプのMA2275をいじった。
フロントパネルについているスイッチ(ツマミ)をいじる。
まずトーンコントロールをバイパスする。
それからメーターをOFFにする。
その他にふたつほどやっている。
このふたつは、フロントパネルのスイッチとは関係のないことだ。
ここまでやった時点で、CDプレーヤーのディスプレイをOFFにする。
ディスプレイをON/OFFできるCDプレーヤーは他にもいくつかある。
試されたことのある方の中には、それほどの変化はなかった、と思われたかもしれない。
でも、あるレベルのセッティングをしていれば、
CDプレーヤーのディスプレイのON/OFFによる音の差ははっきりと出る。
だからこそ、1月4日のaudio wednesdayでは、
CDプレーヤーのディスプレイのOFFを後にもってきた。
ここまでやって、19時開始時点の音に戻ったわけである。
それは正しく19時開始時点の音であった。
同じことをくり返しているわけだから、同じ音になるわけだが、
これがうまくできない人もいるのではないだろうか。
試聴で大事なのは、再現性である。
音楽の再現性という意味ではなく、
同じことをくり返したら、同じ音を出せるという意味での再現性である。
この再現性こそがセッティングの領域である。